2014.08.27

鶏頭（ケイトウ）の季節。



脳みそみたいな形が気持ち悪い・・・
その辺で咲いていそう・・・

と賛否両論がありますが、マニエラ好みの鶏頭の季節がやってきました。

秋にぴったりのコーデュロイのような触り心地
複雑な曲線でできた形状
ニュアンスのある色とその豊富さ

あれ、鶏頭もこんな感じなら好きかも

という方が一人でも多く増えるようにポジティブキャンペーンしています。




鶏頭は天平時代（7世紀の終わりから8世紀の中頃）に原産地のインドから
中国を経由して日本へとやってきたそうです。

シルクロードによってアジアから唐へもたらされたものが
遣唐使を通じて日本にやってきた時代。



お花好きの変わり者の遣唐使がこんな船で船酔いに
苦しみながらはるばると運んできたのでしょう。

ちなみに・・・

天平時代といえば
美人の基準はこの方。

吉祥天女画像


顔、薄いです。

こんな薄い顔が主流（というか美人の基準！）の時代に「ケイトウ」は
美の基準からはほど遠く不思議で異国情緒たっぷりの花だったはずです。




それでもその後、万葉集編纂のころには「ケイトウ」が何首も詠まれています。
※ 当時は鶏頭（ケイトウ）ではなく韓藍(からあい)と呼ばれていました。


秋さらば　移しもせむと我が蒔きし　韓藍の花を　誰れか摘みけむ

秋になったらきれいな布を染めよう！と思って育てていたのに
ケイトウを摘んでいったのではだれだ！お前か！いや違うお前だな！（怒）


我がやどに　韓藍蒔き生ほし　枯れぬれど　懲りずてまたも　蒔かむとぞ思ふ

ケイトウをがんばって育てたのに枯れてしまった・・・
でもまあ、めげずにまた育てよう。ガンバ！



万葉集にあるこの句からは、唐からやってきた異国の花を愛し
庭で大切に育てている様子がうかがえます。


異国からの不思議な形状の濃いお花だったはずですが
天平時代の日本人の好奇心によって広められたケイトウ。

こうやって書いているうちに、書きはじめの3倍ほどケイトウが
一層好きになってきました。



あれ、鶏頭好きかも・・・そんな方が増えますように・・・








　

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